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猫のチャームポイントのひとつ、肉球。「あのプニプニ感がたまらない」という肉球ファンは多く、中には「臭いを嗅ぐのが好き」なんていうツワモノも。でも、地面や床と接し続けている肉球が、なぜあんなにふかふかの感触なのか不思議ではありませんか?実は肉球には、猫の高い身体能力の秘密を解き明かす、すごい機能があるのです。

理由1:衝撃吸収クッションの役目を果たすため

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猫といえば、高いところから飛び降りることのできる身体能力の高さが知られています。実は、これができるのも肉球のおかげ。ふかふかと弾力のある肉球は、高いところから飛び降りたり、遠くへ飛び移ったりするときの衝撃を吸収するクッションの役割を持っているのです。

その昔、猫の祖先は木の上で獲物を待ち伏せしていたそうです(今でもヒョウなどの大型ネコ科動物は、樹上から狩りを行うことがあります)。木の上から獲物をめがけて飛びかかるとき、着地時のショックをやわらげるように肉球が厚くふかふかに発達したとも言われています。

弾力はあるものの、肉球の外側は分厚くなった角質層なので、かなり丈夫。地面に落ちている小石や突起物などから足裏を守る役目も果たします。

理由2:忍者のように音を立てずに歩くため

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肉食動物である猫は、生まれながらのハンター。いつもはのんびり寝てばかりの愛猫が窓の外の鳥を見て興奮したり、ヒモなどのおもちゃにじゃれたりするのも、すべてハンターの習性ゆえです。

実際の狩りの場面では獲物に気づかれないよう、足音を消して近づくことが重要ですが、そこで役立つのが肉球です。猫は爪を自在に出し入れすることができます。獲物を狙うときは爪をしまって肉球のみで歩くことで、足音を立てずに近づくことができます(ちなみに犬の爪はいつも出しっぱなしなので、床を歩くとパタパタと足音がします)。

また、肉球の表面には汗腺があり、暑いときや緊張したときなどに汗をかきます。獲物に気づかれずに近づきたいときや、高いところや不安定な場所を歩くときは、肉球の表面に汗をかくことで滑り止めにもなるのです。

理由3:足元の様子を探るセンサーが付いているため

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人間にとって「手のひら」と「5本の指」にあたる肉球から少し離れた、前足のやや上のほうにもう一つの肉球があります。「手根球」と呼ばれるもので、他の肉球よりも少し硬い感触です。この手根球の上には、やや長い毛が生えており、この毛がセンサーのような役割を果たしていると考えられています。

猫のセンサーというと、まず思い起こすのがヒゲでしょう。猫はヒゲで空気の振動や獲物の動きを感じ取ったり、周辺の物との距離を測って狭いところでも通り抜けたりできるといわれています。手根球の近くに生えた毛も、ヒゲと同じように足元の様子を探り、異変をキャッチする機能として役立っているようです。つまり、猫は顔にも足元にも高感度センサーを備えているのです。

また一説には、手根球には手根骨という骨を保護する役目もあり、そのため弾力はありつつも他の肉球と比べてやや硬い感触なのだとも言われています。

まとめ

かわいいだけではなく、さまざまな役目を持っている肉球。あの「ふかふか」には、実はすごい機能が詰まっているのです。ただ、肉球はあくまで皮膚なので、尖ったものを踏んだり猫同士でケンカをしたりすれば傷ついてしまうことも。肉球は傷つくとパックリと開いてしまい縫合が難しく、回復にも非常に時間がかかります。危ない場所へは愛猫をなるべく行かせないよう配慮し、普段から肉球の状態をチェックしておきましょう。

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