Gray kitten cat with stripped fur white chest  on white

猫のひげは飾りで付いているのではありません。猫の目の上や口の周りに生えているひげは、人間が持っていない高機能の器官です。

■ 優れた感覚を持つ猫のひげは高機能のセンサー

飼っている猫ちゃんの顔をまじまじと見つめてみてください。
口元から頬に掛けて立派なひげが生えていることがわかりますね。また目の上にも外側に向けて数本のひげが生えています。猫のひげは、顔・頭・耳をすっぽりと覆っています。

その理由は、猫が生活の中でひげをフル活用しているから。 猫はひげで物との距離を素早く測ったり、風の向きを感じたりしています。さらに獲物を捕らえるときには、ひげに感じる空気の振動で獲物の動きを察知して、素早く捕まえることができます。

このひげの凄いところは、目の代わりにもなることです。目が見えなくてもひげがあれば、ある程度物の位置や方向やその距離までも分かると言います。

目隠しをした猫に獲物を捕らえさせてみると、目が見えていないことは不都合ではなく、見えているときと同じような行動ができると言うことがわかりました。

■ ひげが無いと獲物を捕まえられないって本当?

猫には、おおよそ50~60本のひげが生えており、若い成猫のひげが一番長く、高齢になるほど短くなります。

もし猫のひげを切ったら、猫は困るのでしょうか?もちろん高機能のセンサーが無くなれば、獲物を狙っても捕らえることはできません。

ひげがなくなった猫は、動きを読み取ることや平衡感覚や定規のような機能も失い何もすることができなくなります。

ひげが生え伸びるまで、猫は気落ちしエサもあまり食べなくなることがあります。
体の状態までおかしくなる程、猫のひげはとても重要な器官なのです。
猫の命にも関わるひげは、決して切ったり抜いたりすることのないように充分注意する必要があります。

また、ひげが折れた猫を見かけることがありますが、猫同士の喧嘩で折れたのか、ごろ寝でひげを押し付けて寝ていたか、はたまた栄養不足が原因の場合があります。
栄養不足に関しては、しっかりと体重を管理して飼い主が気をつけて上げることが重要です。

■ ひげでわかる猫のご機嫌

ひげは猫の気持ちをあらわす大切な器官です。高感度なセンサーを持つ猫のひげはその動きで、今何を猫が気にしているのかがわかります。

今、ご機嫌なのか?ご機嫌斜めなのか?猫のひげを見て意識してみましょう。

☑︎ 前を向いている場合

攻撃的な気持ちを表しています。何かに興味を持っているときや興奮状態にあると考え、あまり猫に近づかないようにしましょう。

☑︎ うしろを向いている場合

何かに恐怖を覚えているときです。今にも逃げ出したい気持ちをひげが表しています。

☑︎ 下を向いている場合

大変リラックスしているときで、かなり安心している状態です。くつろいでいる猫を撫でてあげましょう。嬉しさのあまり「ゴロゴロ」喉を鳴らすことでしょう。

☑︎ 上を向いている場合

ご機嫌で楽しい状態のときです。美味しいエサのニオイを嗅いだり、飼い主と遊んでいるときに上を向いていること確認してみましょう。

■ まとめ

猫のひげが高機能であることをご紹介しました。いつのまにか抜けたり、切れたりすることがありますが、健康な猫であれば時間が経つと元通りになるので心配はいりません。

無理に抜いたり切ったりすると大きなストレスとなり、命を失うことにもなり兼ねません。
できるだけ猫のひげに触らないように、大切に扱うようにしましょう。