主な症状

犬毛包虫症は、目や口の周り、足先などから発症することが多く、斑状の脱毛、発疹、フケなどの症状がみられます。ひどくなると、これらの症状が全身に広がり、膿疱や皮膚の赤みまたは色素沈着による黒ずみがみられ、患部は腫れて盛り上がったようになります。さらに悪化すると、細菌の二次感染を起こし、皮膚が化膿してジュクジュクした状態になったり、ときには敗血症や気管支肺炎を起こすことがあり、命に関わる恐れもあります。

予防方法

早期発見・早期治療が重要です。

原因

犬毛包虫症は、犬の毛包と皮脂腺に寄生しているニキビダニの異常な増殖が原因となります。毛包虫は健康な犬にも常在しており、通常は無症状ですが、大量に増えると、炎症や脱毛を引き起こします。発症する理由は明らかではありませんが、甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症などの基礎疾患による免疫力の低下、遺伝などの関与が考えられています。

治療方法

毛包虫症の治療は、殺ダニ剤の局所への塗布や薬浴、ダニを駆除する薬剤(飲み薬や注射薬)を投与して行います。薬剤はダニの虫卵には効かないため、しっかりとダニを駆除するためには症状が軽い場合でも1か月、通常は数か月の治療が必要です。また、細菌の二次感染には抗生物質を投与し、免疫力低下につながる基礎疾患があれば、その治療も行います。完治が難しいため、根気よく治療を続けることが大切です。

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