主な症状
- よく食べる・動きたがらない
- 毛ヅヤが悪い・左右対称性の脱毛(胴体)・皮膚が薄くなる
- 水をたくさん飲む・尿の量、回数が増える(多飲・多尿)
- 糖尿病、甲状腺機能低下症の併発
- 腹部の膨満(太鼓腹)・四肢の筋肉の萎縮
主な症状として、多飲・多尿、たくさん食べるのに四肢の筋肉が落ちてやせていく、お腹が膨れる(太鼓腹)、全体的に毛が薄くなる、毛づやが悪くなる、左右対称性の脱毛などが挙げられます。他にも、虚弱になり元気がない、運動をしたがらない、皮膚が薄くなり、黒ずんだり、脂っぽくったりすなるなどの症状がみられます。病気が進行すると、眠ってばかりで動きたがらない、過剰にハアハアした呼吸をする、ふらふら歩く、よろめくなどの症状が現れます。これらの症状によりまた、免疫力が低下するため、様々な感染症にもかかりやすくなる可能性がもあります。また、糖尿病や甲状腺機能低下症を併願発する場合もあり、放置すれば死命に関わります。6この病気は8歳以上の犬に多い見られれる傾向にがありますが、1歳未満の若齢犬にもみられる事例もあります。
予防方法
この病気の予防法はありません。そのため、早期発見・早期治療が重要です。副腎皮質ステロイド剤(コルチゾールと同じ作用がある薬)の投与を受けている場合は、勝手に飲ませるのを中止せず、必ず獣医師に相談してください。
原因
副腎皮質機能が亢進する原因には、脳下垂体の腫瘍や過形成によるもの(下垂体性)、副腎皮質の腫瘍によるもの(副腎性)があり、これらによって副腎皮質ホルモン(コルチゾール)が過剰に分泌されて発症します。また、アレルギー性疾患などで副腎皮質ステロイド剤を長期間または大量に投与した場合に、その副作用によって、クッシング症候群が引き起こされることもあります(医原性)。また、アトピー性皮膚炎などの症状を抑えるために長期間または大量のコルチコステロイド剤を接種した場合に、なんらかの事情で、突然投薬を中止すると、副作用としてクッシング症候群を引き起こすことがあります。
治療方法
薬物治療には副腎皮質からのコルチゾール分泌を抑える薬を投与するのが一般的です。薬が効きすぎると副腎皮質機能低下症を招く恐れがあるため、獣医師による薬の調整が必要です。腫瘍によっては外科手術や放射線治療を行う方法もあります。