主な症状

足の裏や指の間、鼻や口唇、マズル周り、耳、お腹など毛の密集していない部位に、皮膚の発赤がみられ、痒みを伴います。慢性化すると、皮膚が硬く厚くなったり(苔癬化)、色が黒くなったりすることもあります(色素沈着)。また、二次的に細菌性皮膚炎(膿皮症)を起こすと症状を悪化させるため、注意が必要です。

予防方法

ほこり、ハウスダストマイト(室内ダニ)、花粉、カビなどのアレルゲンを回避するため、カーペット等の除去や、こまめな清掃などで室内環境を清潔に保つことが大切です。

原因

アトピー素因を持つ犬が、ハウスダストマイト(室内ダニ)、花粉、カビ(真菌)、フケなどのアレルゲンに反応して、引体内の免疫が過剰に働くことによって、アトピー性皮膚炎を起こします。アトピー素因を持つ犬は、皮膚のバリア機能の異常や保湿力の低下があるために、アレルゲンが皮膚から犬の体内に侵入すると考えられています。

治療方法

アトピー性皮膚炎は体質が関係しているため、根治を見込める治療法が存在していません。そのため、治療の目的は、症状が重くならないように管理することです。まず、皮膚のバリア機能の回復やアレルゲンの除去、痒みを抑えるために薬用シャンプーや保湿剤を用いたシャンプー療法やスキンケアをします。そして、要因となるアレルゲンが確認された場合、そのアレルゲンを皮下に注射する免疫療法を行います。この治療法は約60~70%の犬で有効とされています。食物中のタンパク質が原因と考えられる場合にはフードを変更します。その他に、副腎皮質ステロイド剤や免疫抑制剤、抗ヒスタミン薬などを使用します。ステロイド剤治療を受ける場合は、長期間あるいは大量投与によって副作用が出る恐れもあるため、定期的な検査が必要になります。また、膿皮症など別の皮膚疾患がある場合には、その治療を行います。

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