主な症状

初期には、患部である関節周囲に腫れや痛みなどの症状がみられます。進行すると、足を引きずる(跛行)、痛みのある脚を着地できない、跳ねるように歩く、ゆっくり短い歩幅で歩くなどの歩行異常や、階段を嫌がる、散歩時などに疲れやすく運動を嫌がる、歩き方がぎこちない、段差の上り下りができないなどの症状を示すようになります。また、捻髪音(ねんぱつおん:患部を動かした際に関節から聞こえる異常な音)が聞こえたり、関節の可動域が狭くなることもあります。

予防方法

肥満は発症原因となるため、子犬の頃から食事と運動をきちんと管理し、肥満にさせないことが大切です。高い場所から飛び降りたりする過激な運動は控え、家の床がフローリングの場合には、滑りにくいようにカーペットを敷くなど、足腰になるべく負担をかけないようにしましょう。

原因

原発性変形性骨関節症は、老化に伴う関節軟骨の変化により、骨と骨が摩擦を起こしやすくなることが原因となって発生します。他の病気に起因して起こる続発性変形性骨関節症は、以下のような疾患が原因となります。
●先天性の骨関節疾患
股関節形成不全(股関節形成異常)、膝蓋骨脱臼、肘関節形成不全、骨軟骨症、レッグペルテス病など。
●外傷性の関節疾患
前十字靭帯断裂、捻挫などの関節疾患や骨折に伴う骨格の変形、激しい運動や肥満などによる関節への大きな負担。
●自己免疫性や感染性の疾患
自己免疫性のリウマチ性関節炎、ボレリアという細菌によって起こるライム病(マダニの吸血から感染)など。
特に股関節形成不全になりやすいゴールデン・レトリーバーやラブラドール・レトリーバーなどの大型犬種、膝蓋骨脱臼を起こしやすいトイ・プードル、ポメラニアン、マルチーズ、チワワなどの小型犬では、二次的に変形性骨関節炎になりやすい傾向があります。

治療方法

関節の変性は元には戻らず、変形性骨関節症は徐々に進行していきます。治療では対症療法により症状の軽減と進行を遅らせることを目的とします。鎮痛剤や非ステロイド性抗炎症剤の投与で痛みを緩和し、体重管理と運動療法で症状の悪化を予防します。また、続発性変形性骨関節症の場合には、その原因疾患の治療も行います。

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