主な症状

耳の先端やまぶたの下、鼻の表面、口唇など、主に皮膚が薄く毛が少ない部位に発症します。初期の頃はうっすら赤くなり、フケを伴うくらいですが、症状が進むと赤く腫れあがる、ただれて潰瘍になる、出血する、毛が抜ける、かさぶたができる、皮膚が硬くなるなどの症状が出てきます。夏場になると、紫外線が強くなるため、症状がかなり強く現れることもあります。6歳を過ぎた猫では、この皮膚炎を放置したり、慢性化することで、日光皮膚炎から扁平上皮がんに移行する場合もあります。

予防方法

室外飼育にしている場合は、完全に室内飼育にすることで直射日光が猫に当たらないようにします。完全な室内飼育が難しい場合には、紫外線の強い春から秋にかけてだけでも室内飼育にすることで予防効果があります。白い猫の場合には、子猫のころから室内飼育に慣れさせておくとよいでしょう。また、どうしても外に出かけたり、窓際でのひなたぼっこが好きな猫の場合には、ペット用の日焼け止め(UVカット剤)を耳や鼻先などに塗ってあげたり、室内の窓ガラスにUVカットシールを貼るのも効果的です。

原因

強い紫外線(UV-B)への慢性的曝露が原因です。白い猫、毛色の薄い猫が発症しやすく、遺伝性のものであるという説もあります。このような毛色の猫は紫外線から皮膚を守るためのメラニン色素が生まれつき少なく、紫外線に対する抵抗力が弱いため発症すると考えられています。三毛猫やブチ猫でも体毛の白い部分に発症する場合もあります。

治療方法

根本的な治療法はないですが、一般的には副腎皮質ホルモン剤や抗炎症剤を投与して、皮膚の炎症をやわらげます。また、紫外線対策が重要であり、日光(紫外線)を避けて生活させます。万が一、炎症部分ががん化してしまった場合には、外科手術によって患部を切除します。扁平上皮癌は遠隔転移することはあまりありませんが、がん発見後はできるだけ早期に切除することが重要です。

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