主な症状

乾性型は化膿を伴う肉芽腫性の病変を特徴とし、食欲不振や体重減少などの慢性症状のほか、腎臓、肝臓、腸、神経(運動失調)、目(ブドウ膜炎・脈絡網膜炎)などに様々な症状が現れます。湿性型は、タンパク質を多く含んだ漏出液が、胸腔、腹腔、心膜腔といった体内のあらゆる隙間に貯留するのが特徴です。腹部に水が溜まって異様に膨らむ腹水(ふくすい)や、胸膜炎、及び胸腔に水が溜まる胸水(きょうすい)などの症状が現れ、結果として呼吸困難に陥り、数日~数ヶ月の内に死亡します。

予防方法

多頭飼いやキャッテリーにおいてFIPVへの感染が疑われる猫がいる場合、感染猫と他の猫が接点を持たないよう隔離します。感染猫が母猫である場合は、移行免疫が切れる前の生後4週齢頃を目安に、子猫を母親から隔離します。

原因

猫伝染性腹膜炎ウイルスは乾燥した有機物の表面で7週間も感染力を維持したというデータもありますが、日常使用されている消毒剤で不活化されます

治療方法

猫伝染性腹膜炎ウイルスを根絶する薬剤は開発されていません。よって現れた症状が悪化しないようにする対症療法がメインとなるので、二次感染を防ぐための抗生物質の投与、免疫力を高めるためのネコインターフェロンの投与、炎症を抑えるための抗炎症薬の投与などが有効です。また猫の免疫力を低下させる猫免疫不全ウイルス、猫白血病ウイルスへの感染を予防するためのワクチン接種が望まれます。

で相談する