主な症状
初期症状は、発熱や食欲の低下といった目立たない症状です。そのため、飼い主は猫の異常に気づきにくいようです。咳をしたり、脱水症状やチアノーゼが見られることもあります。胸腔内の膿の量が増え、進行すると、次第に息が荒くなり、重度になれば呼吸困難に陥ります。慢性経過の場合は次第に痩せてきます。また、猫は胸に痛みを感じているので、飼い主に胸を触られることを嫌がります。さらに、同様の理由で胸部を圧迫しないように横向きに寝なくなります。
予防方法
原因は様々で、完全な予防は困難ですが、なるべく猫を屋外に出さないように室内飼いを行うことで事故や猫同士のケンカによるケガを防いで予防するのが効果的です。また、肺炎などの呼吸器の病気が見られる場合には、長引かないように早めに治療を行うことが大切です。
原因
主な原因は、他の猫との喧嘩や交通事故、高いところからの落下による胸部の外傷です。また、何か鋭く尖ったものを誤って飲み込んでしまった時に食道に穴があいてしまう化膿性の肺炎や全身性敗血症なども、膿胸の原因となる可能性があります。
治療方法
針を胸腔内に挿入して、胸腔内にたまっている膿を排泄させたり、酸素吸入を行ったりして呼吸状態を改善させます。呼吸状態が落ち着いたら、胸腔内にチューブを入れ、膿の排泄と胸腔内の洗浄を行います。また、原因となっている細菌に対しての抗生物質を投与します。また、脱水や様々な症状を改善するため、点滴や高カロリー食の給餌などの支持療法を行います。