主な症状
下痢をする、痩せる、吐く、呼吸がおかしい、食欲がないなど
横隔膜ヘルニアは、原因やヘルニアの大きさ、胸腔内へ移動してしまった臓器の種類や移動具合などによって症状が分かれます。ほぼ無症状の場合や、呼吸がおかしく苦しそうだったり、元気がなく静かに動かないままでいることが多いなど循環呼吸器系に異常をきたす場合、また食欲がない、吐く、下痢をする、腹痛がするなど消化器系に異常をきたす場合があります。また、肝臓が胸腔内へ移動してしまった場合は、肝障害を引き起こしたり、神経症状を起こす可能性もあります。横隔膜ヘルニアは、その程度や原因別に3つに分けられます。後天的に事故などで負った外傷で横隔膜が裂けてしまった場合は、外傷性横隔膜ヘルニアと呼ばれます。先天的に心膜が腹腔とつながっている場合は、腹膜心膜横隔膜ヘルニアと呼ばれます。食道裂孔が緩んでいて、食道や胃が胸腔内へ移動してしまった場合は、食道裂孔ヘルニアと呼ばれます。
予防方法
外傷性横隔膜ヘルニアを防ぐためには、猫を外に出さないようにして、外傷を負ってしまう交通事故や転落事故をあらかじめ防ぐことが重要です。先天性の場合は、防ぐことは不可能ですが、遺伝子の異常を引き継いでしまう可能性があるので、発症している猫の繁殖を防ぐことが推奨されます。
原因
外傷性横隔膜ヘルニアは、事故で負った外傷が原因で発症します。腹膜心膜横隔膜ヘルニアは、遺伝子の異常などで、先天的に心膜が腹腔とつながってしまうことで引き起こされます。食道裂孔ヘルニアは、先天的な場合と、外傷など後天的な場合があります。
治療方法
外傷性横隔膜ヘルニアは、外傷を負ってショック状態になっている場合や、非常に重い症状が見られる場合には、まず状態を改善させます。ある程度、状態が改善したあと、胸腔内に移動した臓器を腹部にもどし、裂けた横隔膜を治療する外科手術を行います。