主な症状
肛門嚢炎になると、しきりに肛門をなめたり、お尻を床にこすりつけたりと、お尻を気にするようなしぐさを見せます。また、炎症が広がって痛みが生じると、お尻まわりを飼い主に触られるのを嫌がるようになったり、排便を嫌がり、便秘になったりすることもあります。肛門嚢膿瘍という肛門嚢の開口部(分泌口)から細菌が入って肛門嚢に感染が起こると、肛門嚢内に膿がたまる病気になる恐れがあり、肛門の近辺に穴が開いて膿が出てきたりすることがあります。
予防方法
肛門嚢炎は、猫が肛門嚢を絞って分泌物を排出させることを覚えることで家でも予防することができます。肛門嚢炎になったことがなければ行う必要はありませんが、月に1、2回肛門に脱脂綿をあて、軽く絞るといいでしょう。
原因
原因として、老化などで括約筋の収縮力が低下してくると、肛門嚢を自分で絞る力が弱まって内部に分泌物がたまりやすくなります。そのたまった分泌物によって肛門嚢の開口部が詰まり、炎症が起こってくることがあり、下痢や軟便などで肛門周囲が汚れると、肛門嚢への細菌感染が起こりやすくなります。
治療方法
炎症や感染を抑えるため、抗炎症剤や抗生剤の塗布や内服を行います。また、肛門嚢を絞ったり、肛門嚢内部にカテーテルを入れて洗浄したりすることによって、分泌物を排出させ、内部を消毒します。