主な症状
鉤虫が感染すると、成猫では通常無症状ですが、鉤虫の寄生数が非常に多い場合には慢性的な貧血、タール状の黒色便、軟便、体重減少、毛づやの悪化などの症状が確認できます。子猫では成猫にくらべて症状が重くなり易く、貧血やタール状の黒色便だけでなく、食欲不振、母乳を飲まない、鮮血便、下痢、発育不良がみられ、生後1週間の猫では極度の貧血を起こし、最悪のケースではショック死を起こすこともあります。貧血や脱水の進行による命の危険から守るため、早期発見が重要です。
予防方法
糞便を放置しないで早めに処理すること、定期的な糞便検査を行うことが重要になります。幼猫が血便・下痢・軟便をしている場合や発育不良が確認できる場合は、直ちに検査を受ける必要があります。完全な室内飼育にすることも有効です。母猫から胎盤を経由して、もしくは生後に母乳を介して感染する場合があるため、メス猫が妊娠する前に駆虫しておくことも大切です。
原因
鉤虫に寄生された動物の糞便内に虫卵が排出され、それが孵化(ふか)し、幼虫が猫の口または皮膚から体内に侵入して感染します。また、胎盤や乳汁を介して母猫から子猫に感染する可能性もあります。
治療方法
駆虫薬を投与して寄生虫を駆除します。駆虫が不十分だと、体内の組織内に潜んでいた幼虫が再び腸管内に移動し、再感染するため、一度駆虫を始めたら、獣医師から指定された期間はしっかりと駆虫薬を飲ませることが重要です。貧血や脱水によって容体が危険な状態の場合には、輸血や輸液を行い治療します。